top of page
  • 執筆者の写真Mizokami AndM

ビルトインガレージをつくるポイント・費用相場・事例紹介


【ビルトインガレージをつくるポイント・費用相場・事例紹介】

日本でも、ビルトインガレージが増えつつありますが、これまで海外の住宅で一般的だったアイデアが受け入れられつつあります。このガレージスタイルは、住宅内に車を収納することで、室内から車へのアクセスが雨の日でも簡単になります。


ビルトインガレージの魅力の一つは、お気に入りの車を室内から眺めることができることです。車好きな方は、これがビルトインガレージの最大の楽しみです。他にもガレージ内のツールや機器などが室内空間から乱雑に見えないで、作業にも専念できる趣味の空間を提供します。最近では、車好きの方だけではなく、使い勝手の良いビルトインガレージが子育て世代にも採用されるようになってきました。


おしゃれなビルトインガレージ
ビルトインガレージ



■おしゃれなビルトインガレージの魅力とメリット


ビルトインガレージの魅力と利便性には、以下のポイントが挙げられます。


1.愛車を眺めながら暮らせる

車好きな方にとっては、いつでも車を眺めながら生活できる点は大きな魅力です。


2.車を悪天候から守ることができる

シャッターを閉めておくことで、悪天候だけでなく危険やいたずらからも車を守れます。 特にオーバースライダー式のシャッターはおすすめです。


3.車の防犯面でも安心

シャッターを閉めておけば車の存在がわかりにくく、防犯対策にも一役買います。


4.駐車場と居住空間の動線がスムーズ

屋内から直接ガレージへアクセスできる経路(動線)を作ることで、雨の日や荷物の運搬時にも便利です。 特に、子どもや介護が必要な場合には大きなメリットとなります。


5.趣味のスペースとしても利用できる

ガレージは駐車だけでなく、趣味のスペースとしても利用可能です。車や自転車、バイク、アウトドア用品など、整備やディスプレイによって楽しい空間に変身します。


6.土地(敷地面積)を最大限に有効活用できる

ビルトインガレージは建物内に組み込むため、狭い土地であっても生活スペースや庭も確保できます。2階建て・3階建てなどを検討することで、居住スペースの確保も可能です。


これらの利点を押さえて、おしゃれで実用的なビルトインガレージを手に入れましょう。




おしゃれなビルトインガレージ
ビルトインガレージ



■ビルトインガレージを建てる際のデメリット


ビルトインガレージを建てる際には、以下のようなデメリットが考えられます。


・ビルトインガレージを設置する場合、建築費用が通常より高額になる可能性があります。

建物内に駐車場を確保するには1階部分に広いスペース・空間が必要となるため通常より柱や耐力壁が入れにくくなります。より高い耐震性を確保するためには、建物計画の最初の段階で耐震性を検討することが重要です。建築基準法で定められている耐震性能は耐震等級1です。ちなみに耐震等級は1から3に分類されており、等級3が最も高い耐震性を示す等級です。


また、ビルトインガレージ内は気温に影響を受けやすく、冬季には上の階の部屋が冷え込みます。上の階の部屋のための断熱材は「外気に接する床」として断熱材が入りますが、ビルトインガレージは外部扱いのため断熱材は基本的には入りません。もし快適な環境を望まれるのであれば、ビルトインガレージの壁や天井にも適切な断熱材を組み込むことをおすすめします。


・出庫時の騒音問題

屋内に駐車場がある場合、車両の通行やガレージのシャッターの操作で家内に騒音が発生する可能性があります。特に、ガレージに近い部屋では騒音がより感じやすいでしょう。リラックスしたい寝室やリビングなどの部屋は、ガレージから離して配置すると良いでしょう。


騒音対策として、静音性の高いオーバースライダー式のシャッターを選択したり、吸音材を使用したりすることで、騒音を軽減できます。




おしゃれなビルトインガレージ
ビルトインガレージ



■ビルトインガレージをおしゃれにつくるためのポイント


ビルトインガレージをおしゃれにつくるためには、以下のポイントが挙げられます。


ビルトインガレージの設計には注意が必要ですが、以下のアイデアを取り入れて、魅力的なガレージを実現できます。


★外観デザインに配慮する

スタイリッシュなビルトインガレージを実現するには、

外観デザインに立体的な要素を取り入れることで、ガレージが魅力的になります。

外壁とガレージの部分にデザイン的な凹凸を加え、それぞれの面に異なる外壁色を選ぶことで、魅力的な外観を演出できます。 なお、凹凸や色の使いには注意し、建物全体のバランスを考慮することが大切です。 狭い敷地や限られたスペースの場合でも、シャッターや外壁の色を工夫することで、ビルトインガレージを魅力的に仕上げることができます。


★ シャッターの素材にもこだわる

ビルトインガレージに使用するシャッターの素材は、デザインや耐久性に大きな影響を与えます。


例)スチールや鉄製のシャッターはモダンでクールな印象を与えますが、錆びやすいので、メンテナンスを定期的に行うことが必要です。 アルミ製のシャッターはデザインの多様性と耐久性に優れていますが、コストがかかります。木製のシャッターはナチュラル的な高級感がありますが、風雨に弱く、定期的なメンテナンスが必要です。


★ 外構(エクステリア)とのバランスを考える

ビルトインガレージのデザインだけでなく、周囲の外構(エクステリア)との調和も考慮しましょう。 ガレージがおしゃれであっても、外構と調和しない場合、統一感が欠けてしまうかもしれません。


外壁、庭、門とガレージの外観や色を調和させ、ガレージの部分に他の部分と異なる素材を使用したり、デザインの要素を統一したりすることで、家全体に一体感のある洗練された雰囲気を持つように設計しましょう。


★照明にこだわる

駐車スペースの照明の取り入れ方で、ガレージの見栄えが向上します。 全体を照らす場合はシーリングライトが便利ですが、天井が低い場合には複数のダウンライトを検討しましょう。ダウンライトは埋め込み式で天井面をスッキリとした印象にすることができます。加えて照明の位置でガレージ内の見せ方も演出できます。

空間全体を照らしたい時はガレージの中心に配灯し、少しメリハリをつけたい場合は中心に配灯する際も照明の間隔を狭くするとガレージ内に明暗がでて雰囲気がでます。ほかにも壁際に配灯すると壁の凹凸が陰影となり、また違った雰囲気となります。


スポットライトなどを使用することで、ガレージを飾る効果もあります。 スポットライトはスタイリッシュであり、明るくしたい箇所を強調するのに適しています。 夜間にはガレージが美しく輝き、洗練された印象を与えることができます。




おしゃれなビルトインガレージ
ビルトインガレージ



■ビルトインガレージの費用相場


ビルトインガレージの費用相場は、通常、坪単価が30万円から50万円の範囲になります。

この坪単価をベースに、ビルトインガレージの費用相場と必要な坪数を算出し、以下に示す一覧にまとめました。


1台収容: 必要坪数:約5坪、費用相場:約150万円から250万円

2台収容: 必要坪数約10坪、費用相場:約300万円から500万円

3台収容: 必要坪数約20坪、費用相場:約600万円から1,000万円

※ただし、上記の一覧はあくまでも参考値であり、坪単価だけを頼りに判断することはおすすめしません。


また、上記の情報は普通乗用車に関するものであり、ビルトインガレージ内に収納する車が軽自動車か大型自動車か、車いすの収納が必要かなど、車両のサイズや用途に応じて、ビルトインガレージの坪数や高さは変動します。


ビルトインガレージの具体的なプランを立てる際には、車両の寸法や利用目的を詳しく把握し、見積りを依頼することが重要です。



【予算はどれくらい必要?】

ガレージ空間を住まいの一部として組み込んだ住宅はもちろんですが、中古住宅の増改築やリフォームにおいても、1階をガレージに変えることができます。


ガレージのスペースについて、1台から2台分の範囲で約250万円から500万円ほどを見ておくとよいでしょう。新築時から計画する場合、住まいとの動線やつながりだけでなく、設計費用や工事費を効果的に考えることができるメリットがあります。


住宅全体と調和するガレージを希望する場合、新築の際にガレージハウスを建てることを推奨いたします。


ただし、増改築やリフォームの場合、独立したガレージや新築のビルトインガレージよりも、施工費が高くつくことがある点には留意しておくべきです。



【必要な広さは?】

通常、1台分のガレージに必要なスペースは、約3mの幅と約5mの奥行と言われています。これを2台分必要とする場合、約2倍ほどの幅が必要になります。ただし、バイク、自転車、その他の収納スペースを検討している場合は、これらの収納に加えて、空きのある移動スペースも慎重に入れておくことが重要です。


また、車種やサイズによって、必要なスペースが異なることも考慮すべきです。


現在所有している車だけでなく、将来購入を検討している車など、車両のサイズが変化する可能性にも注意が必要です。


例として、軽自動車は約2.5mの幅と約4.5mの奥行が必要です。 一方、中型車には約2.5m~3mの幅と約5.5~6mの奥行が、大型車には約3mの幅と約6mの奥行が必要です。車のタイプによって必要なスペースが異なるため、将来の見通しまで異なる車種に応じて必要なスペースを確保することが重要です。




おしゃれなビルトインガレージ
ビルトインガレージ



■まとめ

おしゃれなビルトインガレージのメリットとデメリットについて詳しくご紹介しました。

ビルトインガレージは駐車場として使用するだけでなく、快適で多目的な空間として活用することが可能です。愛車の手入れや趣味のスペースとしても十分な機能性を持っています。


ただし、高価な素材やデザインへのこだわりはコストを増やす原因となります。 予算に合わせた計画を立て、無理のない設計を検討することが重要です。


最後に、ビルトインガレージをおしゃれに仕上げる際の重要なポイントもご紹介しました。理想のガレージを実現するために、これらのポイントを活用してください。




■福岡・博多でビルトインガレージのある注文住宅を建てるならAndM建築工房へ

家づくりのコンセプトは、ご家族構成や土地の条件、ご趣味など、様々な要素とご要望によって形成されます。お客様の願いを実現するためには、設計力と実現する建築力が必要です。 AndM建築工房では、ビルトインガレージや中庭、スキップフロアなど、それぞれに最適な条件で、お客様のご要望に合ったプランをご提案させていただきます。


この記事の編集者

AndM建築工房 一級建築士事務所 

代表/一級建築士 溝上 拓己


1977年 長崎県生まれ/福岡市在住

​2000年 大学卒業後、建設会社、建築設計事務所、不動産会社勤務を経て、2018年AndM建築工房として活動開始。

建築設計・現場管理を経験し、構造・用途ではRC造共同住宅から木造戸建て住宅まで携わる。その経験と実績を基に不動産会社にて建築企画から販売サポート(接客)まで幅広く業務をこなし、新規部署(建築企画部)立ち上げにも携わる。クライアントやエンドユーザーとの対話から要望を形にしていく姿勢には定評があり、福岡を中心に住宅の建築設計を多数手がける。

bottom of page