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  • 執筆者の写真Mizokami AndM

家事動線がいい間取りにするには?効率的に暮らしやすい住まいのポイントとアイデア


【家事動線がいい間取りにするには?効率的に暮らしやすい住まいのポイントとアイデア】



良い家事動線を実現するためにはどのような住まいのレイアウトが適しているのでしょうか?効率的で快適な生活を送るためのポイントとアイデアをご紹介します。


注文住宅の間取りを決定する際に欠かせないのが、「家事動線」の計画です。家事動線は、家事をする人が移動するための経路を指します。家事動線の計画・設計を失敗すると、無駄な移動が増え、日常の家事でもストレスが溜まり疲弊してしまいかねません。そのため、「家事動線」の計画は重要なポイントとなります。


今回は、どのような間取りが家事動線を効率的にし、住みやすい住宅設計が可能なのか、そのポイントを紹介します。また、良い家事動線を持つための具体的な間取りも合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。




回遊性のある大容量のパントリー
玄関(写真右)と廊下とキッチンをつなぐ、回遊性のあるパントリー(写真左)



■動線計画から理想の間取りを考える


理想の間取りを考える際には、さまざまな動線を考慮する必要があります。


生活動線、家事動線、来客動線など、それぞれのシーンで家族がどのような経路で移動するのかを検討するのが動線計画です。


何より重要なのは、この間取りなら自分はどう動くだろうか?苦手な家事はどうすればもっと楽にできるか?と、自分なりの動線を考えることです。家事は日常的なものであり、料理、洗濯、掃除に加えて、細かな家事も含まれることから、移動が少ない家事動線が理想的です。


とは言え全ての要望を叶えることは難しいので新築の家を検討する際には、無駄のない動線で家事の負担を軽減できるように、家族全員が快適に生活できる間取りを考えましょう。




大容量のファミリークローゼット
洗面室(写真右)とキッチンをつなぐ、ファミリークローゼット(写真左)



■重要な家事動線(料理・洗濯・掃除)


①洗濯動線

最初に考えるのは「洗濯動線」です。洗濯動線は、洗濯物を洗う・干す・たたむ・収納するまでの流れを指します。各作業場所が離れていると、ストレスがかかる可能性があるので注意が必要です。


~洗濯をする場所にはファミリークローゼットを配置~

これまでの洗濯動線では、洗濯機→物干し→寝室や和室→各部屋のクローゼットという流れが一般的でした。しかし、これでは洗濯物を運ぶ手間がかかります。主な衣類をまとめたファミリークローゼットを配置すれば、収納が一か所にまとまり、家事の効率が向上します。


~室内干しに適したランドリースペース~

近年、室内干しスペースを検討・採用する人が増えています。室内干しスペースがあれば、雨の日や花粉の多い季節でも洗濯物を干せるため非常に便利です。湿気がこもらないように湿度センサー付きの換気扇や除湿機を設置できように配慮した洗面室やランドリースペースを設けることがおすすめです。



②掃除動線

掃除動線は、掃除機などを使って部屋をきれいにし、最終的にゴミを捨てるまでの一連の流れを指します。コンセントや水道の位置、掃除用具の収納場所が特に重要です。


~コンセントを掃除機の作業エリアに配置~

掃除機をかける範囲にコンセントを設置することで、スムーズに掃除ができます。コンセントの差し直しが頻繁に必要な場合、掃除動線が悪く、掃除が煩わしく感じる可能性があるため注意が必要です。


~リビング近くに掃除用具の収納場所を設ける~

広い範囲に掃除機をかける場合、掃除用具の収納場所が近くにあると便利です。これにより、掃除にかかる時間を短縮できます。



③買い物動線・ゴミ出し動線

買い物動線は、玄関から荷物を収納するまでの流れを指し、ゴミ出し動線は各部屋のゴミを収集場所に運ぶまでの流れを指します。どちらも移動距離を短く設定することが効率のポイントです。


~キッチンへ直接つながる買い物動線~

食品を運ぶ際、遠く離れたキッチンやパントリーまでの移動は負担がかかり、ストレスになります。そのため、駐車場やガレージを設置する場合は、キッチンへスムーズにアクセスできるような動線を確保することが重要です。


~パントリーにつながるお勝手動線~

食材を購入した後、最短ルートで玄関からパントリーへ繋がる動線がスムーズです。パントリーには食材や身の回りの品を収納できるため、重い荷物やかさばる荷物を楽に運べます。また、キッチン近くに勝手口があれば、ゴミ出しも容易になります。


自分自身がどのように動くか、どの作業が好きで嫌いかを考えることが重要です。苦手な家事や動作があれば、それを効率化する方法を模索し、設計士に相談する際に忘れないようメモしておくと良いでしょう。




室内物干スペース
階段あがって直ぐの室内物干しスペース



■家事動線が良い間取りのポイント・アイデア


○ポイント①:収納

良い家事動線を持つためには、「収納」を意識することが大切です。家事を行う場所にふさわしい収納を配置することで、効率的に作業できます。ただし、収納の場所を誤ると往復する手間がかかるため、慎重に検討する必要があります。


・キッチン(備蓄食品の収納)

・洗面室・ランドリールーム(衣類の収納)

・リビング・玄関(掃除用具・おもちゃの収納)

例えば、キッチンにはパントリーを設置することがおすすめです。食品の収納スペースが充実することで、買い物の頻度を減らすことができます。また、衣類の収納にはランドリールームや物干し場の近くにウォークインクローゼットを設けると効率的です。洗濯、乾燥、収納の一連の流れを短い動線で行えるため、作業時間が短縮されます。


○ポイント②:移動距離

良い家事動線を持つためには、「移動距離」を意識することが大切です。各作業場所を近くに配置することで作業時間を短縮し、快適に家事ができます。考慮すべき移動距離は以下の3つです。


・ランドリースペースから物干し場、収納までの距離

・キッチンからランドリスペースまでの距離

・玄関からキッチン・パントリースペースまでの距離

作業を始める場所から、収納など作業を終える場所までの一連の流れを考え抜くことがポイントです。


○ポイント③:回遊性

良い家事動線を持つためには、「回遊性」を意識することが大切です。家の中を仕切りなく移動できると、家事の時短や開放感につながります。回遊性の向上には、家族の生活でどの空間がつながっていると便利かを考えることが重要です。


キッチン・ランドリースペース・ウォークインクローゼットが近い場合、料理中に洗濯や収納ができます。

家事の仕方やライフスタイルは個人によって異なるため、家族全員で詳細にシミュレーションしてみると良いでしょう。回遊性が向上すると、使い勝手が良くなるだけではなく、家族のコミュニケーションも増えるという魅力もあります。




回遊性のあるおしゃれな玄関
中庭とシューズインクローゼットを回遊できる玄関



■まとめ

家事動線を自分で検討してみると、日常の生活が新しい視点で見えてくることでしょう。


間取りを考える際には、家族のライフプラン・ライフスタイルに合わせつつ、どのような暮らしを望むのかを考えることが大切です。


将来の家族構成の変化や、お子さんが成長することを考慮しながら、暮らしに合った間取りを検討してください。ライフスタイルは人それぞれ異なり、理想的な住まいは家族それぞれによっても変わります。理想の住まいづくりは、自分自身を再発見する一環でもあるように思います。納得のいく家づくりは、日々の暮らしを丁寧に見つめていくことからはじまるのかもしれませんね。




■福岡・博多で家事動線がいい間取りの注文住宅を建てるならAndM建築工房へ

家づくりのコンセプトは、ご家族構成や土地の条件、ご趣味など、様々な要素とご要望によって形成されます。お客様の願いを実現するためには、設計力と実現する建築力が必要です。 AndM建築工房では、ビルトインガレージや中庭、スキップフロアなど、それぞれに最適な条件で、お客様のご要望に合ったプランをご提案させていただきます。


AndM建築工房 代表/一級建築士 溝上拓己

この記事の編集者

AndM建築工房 一級建築士事務所 

代表/一級建築士 溝上 拓己


1977年 長崎県生まれ/福岡市在住

​2000年 大学卒業後、建設会社、建築設計事務所、不動産会社勤務を経て、2018年AndM建築工房として活動開始。

建築設計・現場管理を経験し、構造・用途ではRC造共同住宅から木造戸建て住宅まで携わる。その経験と実績を基に不動産会社にて建築企画から販売サポート(接客)まで幅広く業務をこなし、新規部署(建築企画部)立ち上げにも携わる。クライアントやエンドユーザーとの対話から要望を形にしていく姿勢には定評があり、福岡を中心に住宅の建築設計を多数手がける。

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